2020.01.14

自動精子選別装置の開発に関する共同研究契約を締結

 株式会社日本医療機器開発機構(代表取締役:内田 毅彦、以下「JOMDD」)は、国際医療福祉大学(理事長:高木 邦格)および東京大学(総長:五神 真)と、自動精子選別装置の開発に関する共同研究契約を締結しましたのでお知らせいたします。

■共同研究の背景・概要
 近年、女性の社会進出等を背景とした晩婚化や出産の高齢化により、いわゆる妊活への意識が高まるなか、人工授精・体外受精・顕微授精等の不妊治療への需要も増えており、関連する生殖補助医療の治療実施件数も伸長しております。
 過去の研究(1)では、不妊の原因の約40-50%は男性側にも要因が存在することが報告されており、無精子症や乏精子症、精子無力症等の造精機能障害を有する男性不妊を中心に、運動性や形態が良好な精子の選別に対する重要性が一層高まっております。
 しかし、現状精子の選別は胚培養士による目視と手作業で行われている為、胚培養士の知識や経験に依存している部分が大きく、胚培養士による選別精度のばらつきが懸念されております。また、技術習得の難しさや手技にかかる時間、顕微授精の手技件数の増加を受けて、作業に伴う胚培養士への負担も増大しており、医療施設では胚培養士の人材不足も課題になっております。
 そこで、国際医療福祉大学・河村和弘教授、東京大学・池内真志講師、JOMDDは、現状の課題を踏まえ、精子細胞の運動性や形態の判別に加えて、良好と判断された精子細胞の選別までの自動化を目的とした共同研究を行うことになりました。具体的には、上記3者での共同研究及び聖マリアンナ医科大学にて発明された技術をベースとして、JOMDDでは、精子の自動検知・運動性/形態解析が可能なプログラム、及び精子細胞の選別装置の開発に取り組んで参ります。プログラムに関しては、熟練の胚培養士が判定した良好精子像を、ディープラーニングを組み合わせて機械学習させることでアルゴリズムを構築し、精子細胞の検出、及び当該精子細胞の運動性/形態パラメータを迅速かつ自動で提供する機能を搭載し、胚培養士の判断を支援します。

1) “Trends of male factor infertility, an important cause of infertility: A review of literature.“, Kumar et al., 2015

■共同研究担当者
国際医療福祉大学 医学部産婦人科学 教授、高度生殖医療リサーチセンター長 河村和弘
東京大学 大学院情報理工学系研究科 講師 池内真志
JOMDD

■株式会社日本医療機器開発機構(JOMDD)について
 日本のアカデミアや企業等と連携し、医療系スタートアップ支援や医療機器製品等を事業化する国内初のインキュベーターです。世界で広く利用される国産製品を育てるべく、日本医師会や地方自治体との連携や企業向けにコンサルティングを実施するなどしています。主なポートフォリオには、㈱エクスメディオ(㈱マイナビへ2019年4月にExit)や2018年10月に約20億円を調達した㈱メルティンMMI、2018年6月に約3.5億円を調達したシンクサイト㈱があります。また、米国拠点も活用しながらこれまでに世界約40カ国で医療機器代理店契約を締結するなど、医療機器等の海外展開でも実績を有しています。
代表者:代表取締役 内田 毅彦
所在地:東京都中央区日本橋本町二丁目 3 番 11 号日本橋ライフサイエンスビルディング 601 号室
設立:2012年

■本件に関する問い合わせ先
JOMDD(株式会社日本医療機器開発機構)
TEL:03-6262-3322、FAX:03-6262-3022、MAIL:info@jomdd.com 
広報担当:高畑