2018.08.24

神奈川県らが開発推進中の「人工膵臓」「再生毛髪」、国の補助事業を獲得して開発を加速化

~「神奈川発 ヘルスケア・ニューフロンティア先導プロジェクト」が文部科学省の「地域イノベーション
・エコシステム形成プログラム」に採択されました。自治体や大学等が連携して事業化を目指します。~

 株式会社日本医療機器開発機構(本社:東京都中央区、代表取締役:内田毅彦、以下「JOMDD」という。)は、神奈川県と神奈川県立産業技術総合研究所(以下「KISTEC」という。)が申請した「神奈川発 ヘルスケア・ニューフロンティア先導プロジェクト」に連携支援機関として参画しており、本申請が2018年8月24日付で文部科学省「地域イノベーション・エコシステム形成プログラム」※に採択されたことをご報告します。JOMDDは、本取組における主要プロジェクトである「貼るだけで自律型の次世代人工膵臓の開発」「再生毛髪の大量調製革新技術の開発」の事業化面での支援等を実施しています。
 2つのプロジェクトはいずれも、優れたコア技術をベースに、将来的にはKISTEC発ベンチャーを立ち上げることも想定しており、多様な支援を受けながら実用化を目指していきます。
 JOMDDは今後も、各地方自治体様との連携を進め、日本発の医療イノベーションの創出を実現し、さらなる医療の質の向上を目指して参ります。

■採択の概要
<提案機関>
自治体:神奈川県
大学等:地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所 (KISTEC-KAST)
<支援期間>
支援期間は原則5年間

※文部科学省「地域イノベーション・エコシステム形成プログラム」とは、地域創生を実現するために、科学技術が駆動するイノベーションが求められる中、特徴ある研究資源を有する地域の大学において、事業化経験を持つ人材を中心とした事業プロデュースチームを創設し、専門機関を活用し市場・特許分析を踏まえた事業化計画を策定し、大学シーズ等の事業化を目指すものです。1地域あたり1億円~1.4億円程度/年を上限に支援がされるもので、これまで、平成28年につくばグローバル・イノベーション推進機構(茨城県)、静岡大学(浜松市)、九州大学(福岡県)、九州工業大学(北九州市)、そして平成29年には10地域が採択され、平成30年は神奈川県のほか、宮城県、山形県、石川県、愛知県が採択されています。

■神奈川県の、医療機器や再生・細胞医療等の実用化支援について
神奈川県では、現在、「最先端医療・最新技術の追求」と、「未病の改善」という2つのアプローチを融合させることで、健康寿命の延伸と新たな市場・産業の創出を目指す「ヘルスケア・ニューフロンティア」の取組を進めています。特に、「最先端医療・最新技術の追求」では、神奈川県内外の大学や企業等が持つ、医療機器や再生・細胞医療等に係る有望な研究シーズを実用化するための各種施策を実施しております。

■プロジェクトⅠ:貼るだけで自律型の次世代人工膵臓の開発
研究代表者 : 松元 亮 (KISTEC/ 東京医科歯科大学)
 糖尿病に対するインスリン療法は、投与量の調整、投与の煩雑さなど多くの課題が存在します。「貼るだけ自律型次世代人工膵臓」は、機械不要・一週間連続使用可能・安全安価を目指しており、糖尿病治療のアンメットメディカルニーズ(長期的な血糖管理・低血糖の回避等)の解決を目指すものです。本件のコア技術は、血糖値に応じて反応する特殊ゲル「グルコース応答性ゲル」であり、本プロジェクトでは、このゲルが血糖値に応じて親水化することで、別途センサーを必要とすることなく適量のインスリンがリザーバー部から針部(マイクロニードル)を通じて自動的に放出されるという人工膵臓を目指しています。
図:開発製品のイメージ
(図:開発製品のイメージ)

■プロジェクトⅡ:再生毛髪の大量調製革新技術の開発
研究代表者 :福田 淳二( KISTEC/横浜国立大学 )
 抗がん剤治療の副作用による脱毛や男性型脱毛症は、直接生命を脅かしませんが、本人のQOLに大きく影響します。「再生毛髪の大量調製」は、毛包原基の大量培養を行い患者への移植を行うもので、安全性・コスト面に優れ、現治療の植毛等に変わる脱毛症の根本的な治療提供を目指すものです。
 抗がん剤治療の副作用による脱毛(乳がん患者では1割)は多く、また、男性型脱毛症は、国内で1,200万人と推定されています。
 本件は、毛包細胞の自己組織化現象を発見し、毛髪再生に有用な移植用組織「毛包原基」の大量作製(5,000個以上、下図の必要技術2)に世界で初めて成功しており、今後その実用化を目指します。

写真:マウスに再生した毛髪
(写真:マウスに再生した毛髪)

図:毛髪再生医療のコンセプト図
(図:毛髪再生医療のコンセプト図)

■株式会社日本医療機器開発機構(JOMDD) 会社概要
代表者:代表取締役 内田 毅彦
所在地:東京都中央区日本橋本町二丁目 3 番 11 号
日本橋ライフサイエンスビルディング 601 号室
設立:2012 年

■本件に関するお問い合わせ先
JOMDD(株式会社日本医療機器開発機構)
TEL:03-6262-3322
FAX:03-6262-3022
MAIL:info@jomdd.com
広報担当:高畑、石倉

■関係機関連絡先
神奈川県政策局ヘルスケア・ニューフロンティア推進本部室最先端医療産業グループ
グループリーダー 牧野
TEL:045-285-0187

神奈川県立産業技術総合研究所 研究開発部
研究開発部長 柳沼
TEL: 044-819-2034